【ホラー小説】鏡の病院 ③
アカリと鏡子は病室を出て、鏡子が言うおもちゃがある部屋に向かおうとしたときアカリは廊下の壁にもたれかかった。
鏡子は「どうしたの?どこか悪いの?」とアカリのそばに寄り添った。
アカリは「私、体弱いから長く立っていると疲れるの。鏡子ちゃん、今日は帰るよ。」
鏡子は「そうなの。また来てくれる?今度はもっと遊ぼうね?」
「うん!」とアカリは鏡子の言葉に頷き、入った鏡に向かった。
鏡に着くと鏡は暗く、見えるのは暗い廊下と部屋。鏡の中の病院は明るいのに今見ている鏡はまるで光だけを避けるようにそこにあった。アカリは入った時と同じように手を鏡に触れた。手を触れると手が鏡の中に入った。アカリは鏡の外の病院に戻る前に鏡子に
「鏡子ちゃん、元気になったらまた来るね!」と言いアカリは全身を鏡の中に入った。そのとき鏡子は何かを言っていたがアカリは聞き取れなかった。
気が付くとアカリはいつものベットの上にいた。アカリは鏡から出た後の記憶がなかった。すぐ横にはお母さんがいた。
「アカリ!看護師さんから聞いたよ。どうして廊下に倒れていたの?」お母さんは涙目で私に問いかけた。
アカリは「私、いつもベットの上だったから嫌だったの。だけど昨日の夜、ドアを開けたら廊下にあった鏡が光っていて手を触れると中に入れたの。入ったらそこには私と同じくらいの女の子がいたの。その子と遊ぼうとしたけど、私、体が悪くなっちゃってその子に遊ぼうねって言って鏡から出てきたの。」アカリは昨日のことをお母さんに言った。
しかしお母さんは不思議な顔をしていた。お母さんは
「アカリ、廊下に鏡なんてないよ。夢じゃないの?」
それを聞いたアカリは「そんなことないよ!本当だって!」とアカリはお母さんに昨日のことを証明するためにまだ体がふらついていたがベットから出た。
「ダメだってアカリ、起きたら。」
「お母さんに見てほしいのその鏡。」アカリはふらつきながらもドアを開けた。鏡があった場所はドアからでも見える距離だったのでドアを開けてすぐに鏡があった場所を見た。鏡は確かに廊下の奥にあった。
お母さんも私が見ていた方向を見ていたが
「どこにあるのその鏡。見えないけど。」
アカリには鏡が見えるのにお母さんには見えなかった。私とお母さんが同じ方向を見ていると、いつもお世話になっている看護師さんが来た。
「どうしたんですか?何かあったんですか?」
お母さんは「あの~すみません。看護師さんは向こうの廊下の奥に鏡が見えますか?」
看護師さんは廊下の奥を見た。
「鏡ですか?すみません、壁しか見えないです。」と看護師さんは言った。
お母さんは「そうなんです。でもアカリには廊下の奥に鏡があるなんて言ってて。」
看護師さんはそれを聞いて私に聞いてきた
「アカリちゃん。アカリちゃんが言っている鏡なんて見えないよ。っさ!アカリちゃん、早くベットに戻って。私、アカリちゃんが廊下に倒れていたときすごく驚いちゃったんだから」
アカリは看護師さんに押されるようにベットに戻った。