INAKA談話ブログ

時間があるときに趣味や自作小説や雑談など書きます

【ホラー小説】鏡の病院 ②

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 病院の鏡の中に入った私は周りを見渡した。

 「えっ!今って夜だよね?でもこっちはとても明るい。」鏡の中は私がいた場所とは違って鏡の中の病院は昼間と同じくらいの明るさだった。

 私は周りを見ながら鏡の中の病院を歩いた。私はあることに気づいた。

 「よく見ると病院の病室の番号が逆さまだ。それに奥の右にあったトイレの位置も逆にある。」私はここの様子を独り言のように話した。

 すると、背後から「いらっしゃい!」と鏡の中から聞こえてきた女の子の声が聞こえた。振り向くとそこには私と同じくらいの年の女の子がいた。

 「あなたは?」と私はその女の子に質問した。

 「私は鏡子(きょうこ)。あなたの名前は?」

 「私はアカリ。どうして鏡子ちゃんはここにいるの?」

 「私はこの病院で入院してるの!でもずっとベットにいるの嫌だったから抜け出しちゃった。ねぇアカリちゃん。私と遊ばない?」

 「うん!私いつもベットばっかりだったから、遊ぶのすごく久しぶり!」アカリは鏡子と一緒に病院の中を歩いた。病院の中は誰一人いなかった。

 病院の中の通路を歩いていると、病室の番号が逆さまになっていたがアカリがいた病室の番号を見つけた。

 私は「ここの病室、鏡の外で私がいた病室の番号と同じだよ。」

 「え!私この病室なの!」

 「そうなんだ!じゃあこの部屋で遊ぼう!」と私は言い、部屋を開けた。見ると部屋は私がいた病室と似ていた。部屋に入ると一つ一つのベットがカーテンに閉められていた。私が元々いた病室は私一人しかいなかった。しかし鏡の中の病室にはカーテンによって見ることはできなかったが、中には人影があった。

 アカリは「私がいた病室は私しかいなかったのにこっちには鏡子ちゃんの他に誰かいるんだね。いいな~」いつも病室で一人だった私にとって鏡の中の病室は羨ましかった。だけどカーテンの中にいた人は私たちが病室に入っていも反応はしない。

 鏡子は「今はみんな寝てるかも。ここじゃなくて外におもちゃがたくさんある部屋があるからそっちで遊ぼう!」

 「うん!」

 私は部屋を出る前もう一回部屋を見た。私は不思議に思った。よく見ると私が好きでいつも寝る時に抱いて寝るクマのぬいぐるみに似た人形が唯一カーテンが開いていたベットの上に置いてあったことに。