INAKA談話ブログ

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【小説の氷菓】で出てくる謎を解説 ※ネタバレ注意

 こんにちは、INAKA談話です。今回は小説「氷菓」に出てくる謎をできる限り分かりやすく解説します。「氷菓」に出てくる謎は複数あるので私のブログの「【小説紹介】アニメにもなった「氷菓」の小説を紹介」で分類した「いつの間にかカギがかかっていた部室」「毎週金曜日に返される同じ本」「過去の古典部の文集のありか」「伯父が千反田に言った言葉」「千反田の伯父関谷純の33年前の真実と文集につけた『氷菓』の意味」を順番に解説します。

 ネタバレを含みますのでまだ「氷菓」を読んでいない人は先に読んでから見るとわかります。

 

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「いつの間にかカギがかかっていた部室」

・内容

  この話は初めて折木奉太郎古典部の部室「地学講義室」に行き、千反田えると会ったところから始まります。まず「地学講義室」にはカギがかかっており、奉太郎がカギを開けるとそこには千反田えるがいた。千反田は自分が「地学講義室」のカギをかけていないと言う。なぜ千反田がカギのかかった部室にいるのか折木奉太郎がその謎を解決することになった。

・解説

  まず、部室のカギをかけたカギはマスターキーである。そしてカギをかけた人は用務員だった。折木の話によると用務員の行動はまず教室のロックを開け、中で作業をし、作業が終わると、次の教室に移動し同じ手順を繰り返す。すべての教室で作業を終えると開いているドアのロックを順々に閉めてまわる。ロックが開いている部屋に偶然に生徒が入ると閉じ込められる破目になる。その偶然に千反田が当たってしまったため、カギのかかった部室にいたということになる。

「毎週金曜日に返される同じ本」

・内容

 このお話は、折木奉太郎千反田えるが過去の古典部の文集を探しに図書館に行き、そこで伊原摩耶花福部里志が話していたことを解決するお話です。謎の内容は本の貸出期間は2週間なのに毎週金曜日に同じ本が借りられその日に返されるという。なぜその本は毎週金曜日に借りられ・返却があるのか解決する。ちなみに本の特徴は厚さがあり、縦横の幅が大きい。他にも貸し出しリストがあり、そこには二年生でD・E・F組の人が借りていた。

 

・解説

  その本が毎週金曜日に借りられ同じ日に返されることに本は読むために借りていない。千反田がその本に刺激臭がすると言い、奉太郎は美術準備室に秘密があるという。神山高校では学年が同じでクラスが別の生徒が関係する授業は体育か、芸術科目で貸し出しリストに出てきたクラスは二年D・E・Fの合同授業の美術科で本を使うために当番制で借りていたという。本を毎週金曜日に返すのは授業で使うだけで読むためではないから手元に保管するより毎週金曜日に返す方が楽だという考え。

「過去の古典部の文集のありか」 

・内容

   このお話は折木奉太郎の姉からの手紙で過去の古典部の文集のありかを知り、文集は『部室の薬品金庫』にあるという。奉太郎の姉が卒業した2年前の古典部は生物講義室で活動をしていたため、奉太郎と千反田、伊原たちは文集を見つけに生物講義室に向かった。生物講義室は最初カギがかかっており、しばらくするとドアが開き、中には壁新聞部の部長の遠垣内がいた。遠垣内の許可を得た奉太郎たちは生物講義室の中を調べたが文集はなかった。しかし奉太郎は遠垣内が何かを隠していると思いカマをかけてみた。その後奉太郎たちが地学講義室に戻ると文集があった。奉太郎はどうやって見つけたのか。

・解説

  壁新聞部の準備室には窓に向かって扇風機が回っていた。遠垣内がしたかったのは換気でにおいを消すためで、奉太郎は遠垣内が煙草を吸っていたと考えた。実際奉太郎たちは煙草を見ていないが遠垣内が煙草を隠すために文集が入っていた薬品金庫の中に入れており、奉太郎がカマをかけたことによってそれがあだとなった。最初に生物講義室にカギがかかっていたのは遠垣内が一人で煙草を吸うためにカギをかけており、外には赤外線センサーが白い箱でカモフラージュされていて、誰かが来た時にすぐに察知できるようにするため。

「伯父が千反田に言った言葉」

・内容

 この話は千反田えるが子供のころに伯父関谷から何を聞いたかを折木奉太郎に頼み過去の古典部の文集『氷菓』と合わせて何を聞いたかを解決する。

・解説

  奉太郎は『氷菓』を駄洒落だと言う。その言葉を英語に直すとアイスクリームで音節を切れば 「I scream.」。

意味は「私は叫ぶ」

「千反田の伯父関谷純の33年前の真実と文集につけた『氷菓』の意味」

・内容

 文集を見つけた奉太郎たちは文集の題名『氷菓 第二号』を見た。表紙を開き、序文を見ると文化祭のことから始まり、文章の中には千反田の伯父関谷純のことが書かれていた。関谷純は高校を退学しており、『氷菓 第二号』は関谷純が退学した次の年32前の文集であった。関谷純の身に起きたという33年前の創刊号で解決しようと思ったが創刊号だけ欠けていた。古典部たちは33年前に関谷純に何が起こったのか探すことになった。

・解説

 奉太郎の話をまとめると  33年前の神山高校の文化祭は5日間で行われていた。しかし当時の校長先生は学力重視のために文化祭の開催期間を縮小する計画に出た。それに反発した生徒たちは抗議運動に出てその中心人物が関谷純だった。抗議運動の結果、学校側と生徒側で話し合い縮小計画はなくなった。しかしその代償に関谷純を退学させた。抗議運動をした時期は6月で関谷純が退学した時期は10月であり、その差は中心人物を6月にやめさせるとますます騒動を大きくしてしまうため、騒動が収まる頃を見計らって関谷純を退学させた。

 

氷菓 第2号』を書いた糸魚川教諭(旧姓 郡山)が話した関谷純の33年前の真実 

 33年前、当時の校長先生が4月に文化祭の縮小計画を出し、日程を5日間から2日間に縮小し、平日開催を週末開催に変えられた。反発した生徒たちは汚い言葉で学校をののしる貼り紙を始め、演説会で抗議を図った。しかし生徒たちは処罰を恐れていたため誰もリーダーに立候補しなかった。くじでリーダーを決めた時に関谷純がくじを引いてしまった。運営の人は別の人でその人は表に名前を出さなかった。結果、縮小計画はつぶれた。

  『氷菓』は退学を予感した関谷純が無理を通して付けた題名。

 

おまけ

  神山高校の文化祭を「カンヤ祭」と呼ぶのは、カンヤの字が関谷純の関と谷の読み違いで関谷純を称えて「関谷祭」と呼ぶようになったという。

 

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

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